2011年2月21日月曜日

今までの携帯電話にはウィルス対策ソフトは必要なかったのはなぜ?



皆さんはご自分のパソコンに何らかのウィルス対策ソフト(大手だとウィルスバスター、Norton、McAfeeなど)を使っていると思います。パソコンには当然のごとく対策していても、今まで携帯電話(スマートフォンではない携帯)にウィルス対策をしていた人はおそらくいないでしょう。


携帯電話だってパソコンのようにインターネットを使っていろいろなサイトを閲覧したりファイルをダウンロードしたりできるのにウィルスに感染しないのはなぜでしょうか。


携帯電話用のウィルスが無かったからです。パソコン用のウィルスは「秒」単位で作られているっていうのに、携帯電話には今まで1個もないなんて、にわかには信じられないでしょうが事実なんです。


その理由の1つとして、下の図のようなパソコンと日本の携帯電話のOS事情があります。


パソコンや、携帯電話などの機器にはOSという根本となるソフトが入っていることを以前お伝えしましたが、パソコンと携帯電話とではウィルスのターゲットとしては大きな差があるんです。

ウィルスは個人情報(クレジットカードの番号など)を盗む事が、主な目的で作られるプログラムです。さらに、ウィルスはOSに合わせて作る必要があります。

以上からウィルスのターゲットとして相応しい条件は
「みんなが使っていて機器のOSが同じ」であるわけです。

パソコンは主にアップル社のOS(MAC)とマイクロソフト社のOS(Windows)に大別され、世界中でWindowsのOSが9割を占めるという圧倒的なシェアを誇っています。つまり、パソコンのOSといえばWindowsって感じなのです。
さらに、パソコン内部には個人情報が眠っている可能性が非常に高く、結果として世界中のハッカーに狙われています。


一方携帯電話ですが、そもそも日本の携帯電話のようにインターネットもできて、音楽などをダウンロードでき、おサイフ携帯などといった最先端技術を駆使した端末は世界を見ても非常に稀です。(というかない)


ウィルスに感染させるには主にダウンロードやサイトの閲覧などが必要なため、この時点でハッカーは日本の携帯電話しか狙えなくなります。さらに、携帯電話に重要な情報入ってます?
そりゃもちろん電話番号だって重要ですけど、携帯電話においそれと個人情報をいれている人は少ないと思います。


まだあります。これは日本の携帯電話市場がとってもユニークだからなのですが、日本の携帯電話は図のように各携帯電話製造メーカーが独自のOSをいちいち作って開発しているんです。つまり、OSに合わせて作られるウィルスにとっては非常に厄介な市場になっています。その市場については別記事で述べることとします。

「ガラパゴス携帯とは ~日本の携帯電話市場の特異さ~」→記事へジャンプ


以上の理由から日本の携帯電話にはウィルス対策を講じる必要がなかったというわけです。



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